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ni-ni- "December.'09"

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あの日は 小雨混じる 寒い1日だった
何時間 ニィを抱いていただろうか …
余りの寒さに耐えかね 筋金入りの猫オバさんが隠していた 新聞紙のハウスへ移そうとしたが
彼は ウギャウギャと、大暴れし プリプリと、怒って行ってしまった

それから 数日後の'09年12月05日の明け方 不思議な夢を見た
登場人物は 誰もいない ただただ 灰色の薄暗い空間があるだけだった
「年は 越せないかも … 」 そんな 自分の声で 眼が覚めた

外出から戻ると 留守番電話に メッセージが入っていた
声の主は 筋金入りの猫オバさんこと K子さんだった

K子さんとは マメに連絡を取り合うこともなかったが 何かあるときは Faxでやり取りしていた
似た者同士? その方が 互いに 気を遣わなくてすむからだ
それだけに 単なる世間話であるはずもなく 明け方の夢を思い出し 背筋に 何かが走り貫けていった
落ち着け …  落ち着け …  そう 自分に言い聞かせながら K子さんに電話した

「K◎ちゃん? シルバー(※ニィ)のことなんだけどねぇ … 」
受話器の向こうのK子さんは ぐずぐずと、ひどい鼻声だった

その日 K子さんは いつものように 給仕を終え帰宅したものの
今にも泣き崩れそうな空に 慌てて駆け戻り ニィを保護したとのことだった
なんでも 2、3日前から 急に食欲がなくなっていたそうだ

翌日 病院で診てもらうと 重い腎臓病を患っていると診断された
体温の低下、脱水症状 …  すでに末期の状態であり このまま自力で食べることが出来なければ
適切な治療を施すことが出来ず 24時間体制での点滴投与が必要とのことだった
但し、それは あくまでも延命措置の一環にすぎず どちらにしても そう長くはないという

「もっと 早くに 気付いてあげればよかった … 」
「みんな 何もしてあげれなかったから せめて このコだけも 出来るだけのことをしてあげたい … 」
重く 深い言葉に ぎゅっと、胸が締め付けられた
長い間 ほぼ毎日のように 足を運び 彼らを見守り続けてきた K子さん …
時に やりすぎ感が拭えないところもあるが その苦労と悲しみは とうてい足元にも及ばなかった

が、K子さんは どこか迷っているようだった
その病院には ニィと同じく 腎臓病を患い 狭いゲージの中で 点滴に繋がれたコが居たそうだ
その様を目の当りにし さすがに 複雑な気持ちになったという

自分の意見は 決まっていた
勿論 治せるものなら なにがなんでも 治してあげたい!
だが ストレスとなる治療を続け 延命するのは どうかと思う
これが 与えられた運命ならば ニィの生きるべく力に 任せるべきなのではないだろうか?
ニィにも K子さんにも 無理をして欲しくはなかった
そして なによりも 狭いゲージの中で 逝かせることだけはしたくはなかった

「人間は 何をしても しなくても 後悔するのだと思います … 」
K子さんは 「ホント! ホント! そうなのよねぇ!」と、はじめて 笑った

結局 悩んだ末に 通いで 1時間程の点滴を受けさせることにした
それでも ニィにとっても K子さんにとっても 十分過ぎる負担になるのだが
K子さんは とても うれしそうだった

出来ることならば 自分のもとで 看取りたい …
が、とても 声に出すこと出来なかった
もっとも 自分には はじめから そんな資格などなかったのだ

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'09年12月10日 K氏を伴い はじめてK子邸を訪ねた
K子さんは 常日頃から 「ウチは6畳一間のボロアパートだから!」と、云っていたが
最盛期には 30匹もの猫がおり パパさん(ご主人)は ご自宅で商売をしていると伺っていたので
てっきり 冗談だとばかり思っていた

無論 それは冗談ではあったが いい意味で 期待を裏切る素朴な佇まいに 親近感を覚えた
限られたスペースの随所に 猫たちが快適に過ごせる工夫が施され
窓辺には 待ち切れないとばかりに 猫たちが代わる代わる ゴハンをねだりに 訪れていた
もしも 豪邸だったら …  間違いなく 引いていただろう

「びっくりしたでしょう? ウチは子供も居ないし もう35年も住んでいるから ヒドイものよ … 」
ちょっぴり 恥ずかしそうに笑う K子さん …
おそらく 猫たちの為に 離れられなかったのかもしれないと思った

ニィは コタツ掛けの上に 更に座布団を重ねた特製ベットの上で 身を休めていた
K子さんは 部屋の中で 大人しくしていられるかどうか 心配したそうだが なんら問題はなく
あたかも はじめから そうしていたかのようだった
そして 先住猫を追い出すほどに わがままぶりは健在だとか
飼い猫さんになるんだから トイレを覚えさせなくちゃ … と、なにんだ かんだと明るく語ってはいたが
おそらく 我々に 気を遣ってのことだろう
ニィの身体は ゴツゴツと骨ばかりが目立ち 体重は3kgを下回っていた
名前を呼んでも 反応はなく もう我々のことが分からないようだった
たった数日で こんなにも 変わってしまうものだろうか …
こぼれそうになる涙を堪えるで 精一杯だった

が、ニィは 布団から這い出ると 意外にも しっかりした足取りで ひょいと、K氏の膝に乗っかった
K氏の膝は 彼の特等席であった
きっと ニィなりに 気を遣ってくれたのかもしれない
もう これ以上は 望むまい! 不思議と ココロは穏やかだった

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後日 K子さんから お礼のFaxが届いた ニィは 良好とのこと!
返事を書くのが面倒で 電話を入れると K子さんは これまでの苦労が報われたと、涙ぐんでいた

K子邸を訪れた日 …  いつものように 給仕に向かうK子さんを 途中まで送って別れた
「K子さん …  本当に ありがとうございました!」
最後に K氏が 深々と 頭を下げた
「早く帰りなさい!」 K子さんは シっシっと、手払いしながら 猫たちの給仕に追われていたが
あの時 K子さんは 溢れる涙で 顔を上げることが出来なかったそうだ

更に K子さんは 自分ではなく Jさんだったら 治すことが出来たかもしれないと、云っていたが
自分は こうなるべく 運命だったのではいだろうかと思った
K子さんで よかった! 本当に よかった! 感謝しても 感謝し切れず
むしろ 報われたのは 他でもなく 自分の方だった

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'09年12月22日 2度目のK子邸訪問
K子さんは 実に ズルい人だ! ご自分では 手ぶらで来いと、云うくせに 大層なもてなしぶりである
腎臓サーポート食を差し入れし ニィとアカ坊の写真をプレゼントした
当時 エリア違いだったK子さんは ニィの幼少時代を知らなかったからだ
又、アカ坊のことも 贔屓にしており しごく よろこんでいた
長年 多くの猫たちと接してはいるが 給仕に追われるK子さんに 写真を撮ることは勿論のこと
足跡を振り返る余裕などなかったことであろう
そのうち 彼ら写真をアルバムにまとめて 贈ろうと思った

が、突然 K子さんは 写真とニィを見比べながら 不思議なことを云い出した
「これ 本当に シルバーなの? お鼻が黒いわよ!」
何を出すのかと思えば ニィの鼻は 元々黒 … あれれ?
いつの間にか ニィの鼻は ピンク色に …  そんなことさえ 気付かないなんて …
今まで 何を見てきたのかと 正直 凹んだ

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ともあれ ニィは 自力で カリカリを食べるようになり 通院の負担も だいぶ軽減された
驚いたことに トイレまで 出来るようになったそうだ
が 病状は 明らかに 思わしくなかった
でも もう 寒さに震えて眠ることはない
愛情に包まれたK子邸は 本当に 陽だまりのように あたたかかった

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'09年12月27日 3度目のK子邸訪問 クリスマスプレゼントはないが おふたりが好きだと云っていたパンと
墓地を駆け回るK子さんに あったかタイツを差し入れした

ニィは また 更に 小さくなった 可愛い耳が 氷のように 冷たかった …
よろこんで食べてくれた差し入れのフードも 食べなくなってしまい
獣医師は 鬼にならないとダメだ!と、カリカリを強引に 口の中に押し込むのだそうだ
まるで フォアグラ …

が、そのお陰で 薬が飲ませられると、うれしそうだった
しかも 彼が 手作りの紐の玩具や ねずみの玩具に 反応するらしく
ホレホレと、うれしそうに 玩具を操るK子さんは まるで 子供をあやす お母さんのようだった
そして 彼も また 幸せそうに思えた

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ニィが 膝の上の特等席に乗っかってくれた
おそらく 無意識に違いなかった 長年 身体に刻み込まれた 哀しい習性なのかもしれない 
無理するでないよ …  でも やっぱり うれしかった!

「オイオイ お兄ちゃんのお膝に乗って 自慢毛じゃないか! K◎ちゃん! 写真! 写真!」
K子さんは 大はしゃぎだ!
笑みの耐えない時間に 涙が出そうだった

K子邸の帰り S裏に寄ると うれしいことに 全員集合していた
そればかりか この日は 絶妙なタイミングで アカ坊にも逢えたし
最近 余り見掛けなくなったコたちにも 逢うことが出来た

それに この冬 手を焼いていたエサやりさんと 「今日こそは!」と、意を決していたが
これまでの警告に 気付いてくれたのか? それとも 確信犯なのかは 定かではないが
鼻息を荒げる前に ことなき済んだので ホっとした

丁度 バスが着たので 乗り込んだ
バスの揺れが手伝ってか どっと 疲労感に襲われた
だが それは 心地良いもので 久しく感じることのなかった幸福感を覚えた
長年 痞えていた ココロのモヤモヤが すっーと、解き放されてゆく
こんなにも 穏やかで こんなにも 清々しい気持ちになれたのは いつであったか  記憶にはない

「よかった! 本当に よかった! これで よかったんだ … 」
無意識に 飛び出してしまう言葉に 隣で K氏が 「うん うん 」と、頷いていた
 
Comments (4) Trackbacks (-) | ニィニィ

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色々あったけれど、ニィくんにお家ができて良かったね(^_^)
今年は特に寒いし、暖かい部屋と安心を手に入れられて
良かったと思います。
2010年01月14日(Thu) 06:23
編集
いけみさん ありがとうございます
K子さんのいう通り もっと早くに 連れて帰っていれば こんなことにはならなったかもしれません
辛かったでしょうに 苦しかったでしょうに …
彼には 本当に すまないことをしたと思っています

でも 本当に よかったです
K子さんは かなりの筋金入りの猫オバさんです
志は 素晴しいのですが 時々 それはイカんだろう … と、思うくらいです
彼のことを贔屓にしていたことは 知っていましたが 彼をお家に迎えてくれるとは思ってもいませんでした
K子さんは 我々以上に いや その何十倍 何百倍もの物語を抱えているわけですから …

でもでも 本当に よかった! これで よかったんだと思います
K子さんは 我々に気を遣っているので 毎日 逢いに行くことは出来ませんが
そっと 見守っていこうと思っています
2010年01月14日(Thu) 14:50
編集
ニィくん?え?と見に来てみたら
まさかこんな事になっていたなんて・・・。
でもこの状況でK子さんに保護してもらえた事や、ニィくんの体調がなんとか持ち直してくれた事(よく頑張ったね、ニィくん)・・・とてもとても辛い状況ではあるのだけど、なんだか心があったかくなったよ。
katsumaruさんやK氏、K子さん皆さんの思いが届いたんだね。ニィくん、みんなに思われてほんとに幸せなコだよね。
見守って行くという事は、辛い事が多すぎるのだけど、猫達を通して人の思いや温かみに触れるとなんだか救われる。
ニィくんとは気軽に会いに行く事は出来なくなったけど、保護してくれた方がK子さんで良かったね。
2010年02月01日(Mon) 01:21
編集
なつばらさ~ん♪ ありがとう!
ニィ 年は越せないだろうと思っていましたが 頑張っています
ようやく 手にした幸せを 離したくないのだと思います
たくさんの人に愛されて ホント 幸せなヤツです!
2010年02月05日(Fri) 02:20












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